鹿児島から徳之島へ。
空港でタラップから降りて振り返ると、機体の後ろに映える夕日は暖かいオレンジ色だった。
青い海と身体にあたる風には、懐かしい空気感があった。
ここは「長寿の島」「子宝の島」と呼ばれ、命を大切にする文化が静かに息づいている。
黒糖やスモモなど素朴な食べ物はどれも自然の恵みそのもの。
派手さはないが身体がよろこぶ栄養分が、島の人々の健康を支えてきたのだろう。
顔の見えるつながり方で暮らしを営む地域性も、
この島の健康を支える大切な土台になっているように思う。
夜の森に太古の姿を残すアマミノクロウサギを探しに行った。
ライトに照らされた小さなピンク色の耳のまるまるとしたブラウンの小動物は可愛らしく微笑ましかった。
ガイドさん曰く、島固有の植物も長い歴史を持つとのこと。
生物の教科書で習った“適者生存”という言葉が、ふと思い出された。
明日はガジュマロやソテツのトンネルを見学に行く予定。
見上げた星空、リュウキュウコノハズクの鳴き声、砂利道を踏む足音。
そのどれもが心地よく、落ち着いた気持ちにさせてくれた。
徳之島は、ゆっくりと健康を大切にするために必要なことを、そっと思い出させてくれる。
ホテルへ戻りながら、上質な時を過ごした満足感がゆっくり胸に広がっていった。

