私たちが健やかに年齢を重ねるために欠かせない免疫力。
先週は第26回日本抗加齢医学会総会に参加するため、横浜を訪れました。
産婦人科領域のセッションでは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のメカニズム解明に関する非常に興味深い講演がありました。
この研究の核心は、PCOSの発症に遺伝的要因だけでなく、腸内細菌の変化が深く関与している可能性を突き止めた点にあります。
腸管免疫、わかりやすく言うと、腸内環境を適切に調整することで、次世代へ続く健康リスクの連鎖を断ち切れる可能性が期待されています。
ところで、従来PCOSと呼ばれてきたこの病態は近年の研究ではその本質が代謝や免疫との密接な関わりにあることから、多嚢胞性代謝卵巣症候群(Polycystic Metabolic Ovary Syndrome:PMOS)という呼称で呼ばれることが増えています。
現在、妊娠前からの予防医療である「プレコンセプションケア」が注目されていますが、親の健康状態が、将来生まれてくる子供の生涯の健康を左右することを、私たちはより深く認識する必要があります。
腸管免疫、つまり、腸内環境が乱れ細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスが崩れると、免疫系を介して全身に慢性的な炎症が生じます。
この免疫のバランス異常こそが、世代を超えてホルモンや代謝に悪影響を及ぼす見えない引き金となっているのです。
日々の食生活や「腸活」は、自身の健康を守るだけでなく、子供たちの未来を形作る大切な予防医療です。
日本抗加齢医学会総会への参加を通じ、その重要性を改めて深く考える貴重な機会となりました。

