再生医療から、再び生殖医療の領域に戻ってきました。
10月より首都東京にて墨田区にあります「生殖医療クリニック 錦糸町駅前院」の学術顧問としての勤務を開始しました。
今回は、生殖医療の中で大切な排卵誘発の方法について解説してみます。
医療行為にはさまざまな副作用を伴いますが、不妊治療の副作用や頻繁な通院に不安を抱える方は少なくありません。
しかし近年の生殖医療は進歩し、身体やライフスタイルへの負担を抑えつつ、効果的に妊娠を目指せるようになってきました。
以下に最近の進歩について箇条書きにあげてみます。
1. 個別化医療の普及
事前の検査で卵巣状態を評価し、お一人おひとりに最適な薬や量を決める個別化が進んでいます。
2. 新しい薬と自己注射の進化
副作用の少ない内服薬(レトロゾール等)が普及しました。
また、痛みの少ないペン型自己注射の登場で、通院回数や負担も大きく軽減されています。
3. 月経周期にとらわれない「ランダムスタート法」
これまでの排卵誘発は、月経の2〜3日目から開始するのが一般的でした。
しかし現在では、月経周期のどの時期(排卵後の黄体期など)からでも誘発を開始できる「ランダムスタート法」が確立されています。
元々はがん治療を控えていて急いで卵子凍結が必要な方などに用いられてきた画期的な手法ですが、現在では時間を無駄にせず治療を進めたい患者様にも応用され、スケジュールの自由度が大きく向上しています。
様々な分野で医療は進歩していますが、私の専門の生殖医療の領域でも以上のような点の進化がみられます。
次回は、短期間でよりチャンスを増やす「DuoStim(デュオスティム)法」について解説します。

