まつみレディースクリニック三田

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第40回 日本エンドメトリオーシス学会 (4)

随分遅くなりましたが、第40回日本エンドメトリオーシス学会の報告、(4)です。今日は、学会2日目のランチョンセミナーのお話。

ランチョンセミナーは愛育病院の安達知子院長先生が座長をされるということで、小林隆夫院長先生のご講演「OC/LEPに関連する静脈血栓症―SHBGとAPC-srの意義」をいそいそと学びに行きました。

わたし、この講演にてAPC-srという単語を初めて知りまして、大変勉強になりました。

SHBGとはSex Hormone Binding Proteinのことで、血液中で一部の性ステロイドホルモン(Sex Hormone)はタンパク質(Protein)と結合(Binding)して存在しています。

わかりやすく書くと、Sex Hormone はSex Hormone Binding Proteinというタンパク質と結合して存在しているということです。

ホルモンはその化学構造から、糖タンパクホルモン、ステロイドホルモンなどに分類されています。

性ホルモン(エストロゲン、プロゲスチンなど)は、この分類だとステロイドホルモンというカテゴリーに分類されます。

 

最近、院長のブログは少し難しいと職員(正確には元職員)から指摘受けたので簡潔に。

 

講演の要旨は、OC/LEP製剤を内服していると静脈血栓症(VTE)という副作用が出ることがあり、これには注意が必要だということです。

血栓の形成には血液凝固亢進(血液が固まりやすい状態)が必須であるため、過凝固状態を把握するために血液凝固線溶系マーカーを測定し、例えば,D-dimerが基準値以上の場合には下肢超音波検査で深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)の有無を検索するなどの試みがなされています。

しかし、 D-dimerは血液凝固とそれに続いて起きる線溶亢進(固まった血液が溶けやすくなっている状態)の結果生じる分子マーカーであり、この値をもってVTE(静脈血栓症)の予知を行うことはできません。

真の血栓症の予知は、静脈血栓症の危険因子をもつ患者さんがまだ血栓ができる前の段階で、明らかに血液凝固亢進状態であることを捉える必要があるが、現時点では発症を予知できるような有効な血液凝固学的指標はなく、APC-srが静脈血栓症の発症の予知のマーカーになる可能性があるというものでした。

APC-srはActivated Protein C sensitivity ratioの略で、日本語訳は、活性化プロテインC感受性比となります。

要するに、血液を固まらせる成分(プロテインC)のうちで活性化している(Activated)ものの抵抗性の有無( = 感受性の比率:sensitivity ratio)を調べる方法があり、この値から静脈血栓症の発症を予知できる可能性があるというものでした。

 

 

やっぱり、ちょっと難しかったかな。

 

 

狩猟民族は血が固まりやすい方が生活しやすいという話、Virchowの3徴候などの話もためになりました。

大変興味深く、頑張って会場にて講演終了後に質問。

小林先生、大変ご丁寧に説明してくださいました。

 

 

静岡県の焼津市で初期研修をしたわたしには、「浜松」懐かしかったです。

久しぶりに、うなぎが食べたいです。

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