第74回日本産科婦人科学会(3):「胎児胎盤機能の基礎的臨床的病態解明」|まつみレディースクリニック|港区・田町・浜松町の産科・婦人科・不妊|女医在籍

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第74回日本産科婦人科学会(3):「胎児胎盤機能の基礎的臨床的病態解明」

第74回日本産科婦人科学会(3):「胎児胎盤機能の基礎的臨床的病態解明」|まつみレディースクリニック|港区・田町・浜松町の産科・婦人科・不妊|女医在籍

すっかり秋になりましたが、8月に福岡で開催された第74回日本産科婦人科学会の参加報告、最終回です。

福岡に赴いてから2か月経ちましたが、現地では大須賀主任教授のご推薦で、参加者限定東京大学産婦人科OBOG有志の会にも参加させていただくことが出来ました。

 

東京大学産婦人科は教職や基幹病院の責任者のポストに就く割合が多い医局です。

有志の会に参加してみて、わたしは同窓会OBとして恥ずかしくないよう、地域医療の分野で精一杯努力したいと強く思いました。

 

さて、学会のシンポジウム2は予後と関連づけた胎児胎盤機能の基礎的臨床的病態解明と治療戦略に関する演題でした。

今回はその中の福島県立医大の池上先生の発表をポイント解説したいと思います。

 

近年,妊娠前(=プレコンセプション)の適切な時期に必要な知識・情報を妊娠希望女性やカップルを対象に提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアを行うプレコンセプションケアという概念が広まっています。

母体が摂取する食事の内容(=栄養)が周産期合併症の発症や児の長期予後に関与するなら、プレコンセプションケアとして妊娠を希望する女性へ妊娠前から栄養指導を行うことにより、早期に患者自身が主体的に周産期の改善へ積極的に取り組める可能性も広がってきます。

また、母体の炎症は早産の主な原因となりますが、炎症が胎児に波及した場合は出生児の長期予後にも少なからず影響を与えます。

 

抗炎症食は子供の神経発達にも関係がありますが、炎症食を取る子供に比べて抗炎症食はコミニケーションの能力や問題解決能力などに対して良い結果をもたらすことがわかってきました。

食事や栄養に基づくプレコンセプションケアは、妊娠のみならず、出生児の長期神経予後をも改善する可能性があります。