まつみレディースクリニック三田

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ネオセルフ抗体(β2GPIネオセルフ抗体)と卵巣機能(1)

早いもので、もうすぐ6月です。

昨日の日曜日は、抗加齢医学会で発表するデーターを更新し解析しなおしていました。

 

ブログの方の更新もなかなか追いつかなくなってきまして、6月からはブログは3日に1回となります。

開業当初は毎日ブログを更新してきましたが、公務や共同研究の会議に加えて、学会発表の準備に取られる時間も増えてきまして、だんだんと頻度が減ってきました。

文章を書くのは好きなので、できる範囲で継続していきたいものです。

 

抗加齢医学会は東京大学産婦人科の大須賀穣教授が大会長で、6月9日から11日に東京で開催されます。

大須賀教授は鉄門ヨット部の大先輩でもありますが、学会でお会いするといつもクリニックの近況を尋ねてくださいます。

さて、抗加齢医学会では、ネオセルフ抗体と卵巣機能との関連についての演題発表を行います。

以下、プログラムから一部改変してご紹介します。

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)におけるネオセルフ抗体(β2GPIネオセルフ抗体)と卵巣機能との関連について

松見泰宇

まつみレディースクリニック三田

 

【目的】

リン脂質に対する新規自己抗体のネオセルフ抗体(β2GPIネオセルフ抗体)は、HLAクラスII分子と複合体(β2GPI/HLADR)を形成したβ2-糖タンパク質I(β2GPI)に対する抗体である。

不妊症、特に着床不全とネオセルフ抗体の関連性についての研究成果が散見されるが、我々もこれまでに不育症におけるネオセルフ抗体の関与を血液凝固に着目して報告してきた。

 

本研究では排卵障害の病因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者を対象として、卵巣機能におけるネオセルフ抗体の関与について検討した。

PCOSの病態にはインスリン抵抗性も関与し、アンドロゲン産生亢進、LH 分泌亢進、排卵障害をもたらす。近年、代謝疾患は慢性炎症が基盤にあり、加齢との関連に直目したinflammagingという概念も提唱されている。

本研究では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のAMHおよび補体とネオセルフ抗体の相関について検討した。

 

【方法】

当院倫理委員会の承認のもと、不妊外来を受診した不妊症及び不育症患者を対象とした。

D3ホルモン基礎値及びAMH値よりPCOSと診断された症例をAMHの値が高いグループ(高AMH群)と低いグループ(低AMH群)の2つに分け、以下の項目との相関について検討した。

 

①卵巣予備能を反映する血中AMH値

②慢性炎症状態のバイオマーカーとしてCRPおよび血清補体価(C3、C4、CH50)

③糖代謝能との関係はヘモグロビンA1cによって評価した。

 

【結論】

ネオセルフ抗体価はAMHの高いPCOS症例においては、卵巣機能を反映する指標となる可能性が示唆された。

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